日々海和歌
浦にたく あまたにつつむ こひなれば
くゆる煙よ 行く方ぞなき
源氏物語 須磨
風莫の 浜の白 波いたづらに
ここに寄せ来る 見る人なしに
万葉集 1673 長意吉麻呂
生死の 二つの海を 厭はしみ
潮干の山を 偲ひつるかも
万葉集 3849 詠み人知らず
わたつ海の おきつ塩あひに うかぶ淡の
消ぬ物から よる方もなし
古今和歌集 十七雑 詠み人知らず
わだつみの とよはたぐもに いりびさし
こよひのつくよ さやけかりこそ
万葉集15 天智天皇
大船を 荒海に出だし います君
障むことなく 早帰りませ
読み人知らず
海ならず 湛へる水の 底までに
清き心は 月ぞ照らさむ
菅原 道真
礒の浦に来寄る白波返りつつ
過ぎかてなくは誰れにたゆたへ
萬葉集 一三八九
沖つ波 来寄る荒礒を 敷栲の
枕とまきて 寝せる君かも
柿本朝臣人麻呂
空やうみ 海や空とも えぞわかぬ
霞も波も たちみちにつつ
源 実朝
朝なぎに 来寄る白波 見まく欲り
我れはすれども 風こそ寄せね
読み人知らず
荒波に 寄り来る玉を 枕に置き
我れここにありと 誰れか告げなむ
柿本人麻呂
海ならず 湛へる水の 底までに
清き心は 月ぞ照らさん
大鏡
いとゞしく過ぎゆくかたの恋しきに
うら山しくもかへる浪かな
伊勢物語 上
大海の 磯もとどろに寄する波
割れて砕けて 裂けて散るかも
源 実朝